行政向け官民連携の仕組みづくり

地域課題を解決したいけれども自分たちの力だけでは上手く推進できていない自治体と、社会課題や地域課題の解決をテーマとする事業を自社のビジネスとして構築していきたい企業がつながり社会インパクトにつなげる仕組みをつくっています。

活動は自治体と企業をつなぐだけでなく、自治体向けには総合計画などの各種計画や推進している事業を把握するとともに、行政職員、地域住民のみなさまと信頼関係を構築した上で地域課題の把握に務めます。その上で、地域課題を解決できそうな企業への声がけを行い、企業が持っている製品やサービス、ノウハウなどを活用した取り組みへとつなげていきます。

IRODORIは自治体の政策策定プロセスや予算編成プロセス、企業側の事業開発におけるプロセスの双方を把握しており、行政の官民連携コーディネーター(アドバイザー)として活動を行います。

茨城県鉾田市 -日本で一番野菜をつくっているまち-

野菜の産出額が日本一の鉾田市。地域課題は地域の弱みではなく“地域資源”として捉え、2020年から産学官連携推進事業として民間企業と連携した取り組みをコーディネートしています。

原課職員を対象にした民間企業との連携することで得られる役場のメリットなどを整理する勉強会の実施や、企業との意見交換、具体的な連携に向けた伴走支援を行っています。R4年度は鉾田市で新たに挑戦をはじめたいという市民を可視化し、育成するための取り組みも実施予定です。

地域の未来のために共にチャレンジできる企業のパートナーを募集するため、公開したホームページがこちら。

鉾田市 官民連携推進サイト:
https://hokota-partnership.studio.site/

これまで企業と連携して行ってきた事例を2件ご紹介します。

カゴメ株式会社:官民連携による「自然をおいしく楽しめるまちづくり」

野菜産出額日本一の鉾田市の地域資源(野菜)と「楽しく野菜を摂る」ことで健康寿命の延伸に取り組むカゴメ株式会社が連携し、市民参加型ワークショップや野菜を活用したスムージーイベントなどを定期的に開催。イベントではカゴメ株式会社のアセットである野菜摂取レベルを推定できる機器「ベジチェック」を活用して市民の野菜摂取状況を測定したり、野菜に対する感情などを可視化したりしています。

2020年から連携をはじめて2年。2022年10月11日には包括連携協定を締結。さらなる価値づくりに向けて伴走を行っています。
【官民連携事例】鉾田市とカゴメ株式会社の包括連携協定が行われました

日本バレーボール指導者協会:新時代に対応した持続可能な部活動推進事業

日本バレーボール指導者協会のメンバーとNECレッドロケッツボランティア組織「まるごとロケッツ」によるオンラインバレーボール教室の実証実験を鉾田市内の中学校女子バレーボール部と連携して推進。トップ選手の試合前の準備から練習までの動きと自分たちの動きの違いを映像を見ながら比較し、オンラインで指導を行いました。また、継続的にトップコーチと教職員がコミュニケーションを取ることで、効果的な技術指導、学習指導につながるような仕組みを構築しました。参加した生徒は約50名で、県大会まで映像を通じたコミュニケーションを継続的に実施し、GIGAスクール構想の推進に寄与しました。

参考URL:
http://www.city.hokota.lg.jp/page/page004892.html

栃木県小山市 -女性たちが活躍しているまち-

IRODORI執行役員Chief Public Officerの永井が代表取締役をつとめている株式会社kaettaraにて、令和3年度に官民連携アドバイザーとして委託を受け活動。

栃木県小山市の取り組みで特徴的なことのひとつが、市として女性活躍に力を入れてきた点です。例えば、市役所内における係長以上の管理監督者に占める女性の割合が令和2年度は31.0%、管理職に占める女性の割合が25.0%で、これからも積極的に女性の登用を推進していく方針です。

そして市内に目を向けると、女性たちが主体的に起こした地域活動が多数行われてきています。また「子育てしながら起業しやすいまち」という市民からの声も聞こえてくるくらい、起業する女性も増えて積極的に新しい挑戦を行う土壌ができつつあります。

一方で小山市として課題に挙げられるのは、女性たちの首都圏への流出が顕著に多いという点です。特に20~24歳の女性たちが進学や就職を機に小山市を出て、そのまま地元に帰ってこないという現状があります。

以上のことから、女性たちが暮らし続けたいまちづくりをテーマに「女性の活躍×デジタルトランスフォーメーションを推進するまち・小山市関係人口創出事業」を行ってきました。

地域の女性たちと連携しながら、小山市で挑戦したい企業を募りました。レジリエントなまちづくり、地域のバス交通、女性デジタル人材育成などのテーマを検討。中間支援組織であるNPO法人おやまワガママLabの設立支援も行い、継続的に企業が関われる仕組みづくりを行いました。

デジタル庁・牧島大臣からもご協力いただいた成果報告フォーラムのアーカイブ動画がこちら。

■官民連携コーディネーターとして活動している地域

  • 茨城県鉾田市
  • 群馬県嬬恋村
  • 島根県奥出雲町