「こんなこと、一緒にできない?」活動報告から広がる、矢祭町の次の一歩。

「デジタル相談室の案内を、お店にも置いてみては?」

福島県矢祭町で、地域おこし協力隊の活動報告会が開かれました。

私たちIRODORIは、矢祭町の地域おこし協力隊の皆さんの活動を日頃から伴走支援しており、今回の報告会でも進行を担当しました。

平日の夜、会場に集まった地域の皆さんからは、隊員たちの活動への感想だけでなく、「こんなこともできそう」「一緒にやってみては?」と、具体的なアイデアが次々と寄せられました。

今回発表したのは、デジタルやデザイン、情報発信、読書のまちづくりに取り組む3名の隊員です。これまで取り組んできた活動や、そこから見えてきた課題、そしてこれから挑戦したいこと。

それぞれの報告をきっかけに、隊員と地域の皆さんとの間で、次の活動につながるアイデアが交わされていきました。

今回は、そんな報告会の様子をご紹介します。

「家族には聞きづらくて」。デジタルの困りごとに寄り添う相談室

最初に紹介されたのは、デジタル相談室での相談対応や、中学校のデジタル部のサポート、チラシやイラストの制作などの活動です。

デジタル相談室には、スマートフォンの操作方法から、画面に突然表示される広告、アカウントの安全性まで、日々の暮らしの中のさまざまな相談が寄せられます。

質疑応答で話題になったのは、「家族には聞きづらい」という理由で相談室を訪れる方がいること。

スマートフォンの使い方を教えてもらえる場所はもちろん大切ですが、身近な人にはちょっと聞きにくいことを、気兼ねなく尋ねられる相手がいる。

そんな相談室のもう一つの役割が見えてきました。

一方、デザインの活動では、町のキャラクターを使ったイラストや、町公式アプリの案内、列車の旅を紹介するチラシなどを制作しています。

大切にしているのは、見た人にどんな気持ちになってほしいかを考えること。ただ情報を伝えるだけでなく、「行ってみたい」「参加してみたい」と思ってもらえるような工夫を重ねています。

実際に、制作したイラストをメニューに取り入れたお店からは、お客さんとの会話のきっかけになっているという話もありました。さらに会場では、デジタル相談室の案内を店舗に置くことや、お店ごとのイラストを展開することなど、新しいアイデアも。

日頃の活動が、町のお店や人との新しい関わりにつながりそうです。

町の人を撮って、話して、発信する。「矢祭TV」の挑戦

続いては、動画やSNSを活用した情報発信と、町のDX推進に関する報告です。

町の人の暮らしや仕事を訪ね、その様子をInstagramやYouTubeで発信している「矢祭TV」。

養蜂の現場を取材したり、町民の皆さんと一緒に動画を撮影したり。町で暮らす人たちとの関わりを通じて、矢祭町の魅力を伝えています。面白いのは、動画をつくる過程そのものが、デジタルに触れるきっかけにもなっていること。

撮影に参加したことから、動画の見方や投稿方法に興味を持つ。日常の会話から、AIの活用について話が広がる。

情報を発信するだけでなく、町の人が新しい技術に触れる入口にもなっています。また、町内に点在するイベント情報を、一つにまとめて確認できるカレンダーの仕組みも紹介されました。

「今週末、町で何かイベントはあるかな?」

そんなとき、情報が一か所にまとまっていれば、参加する人は予定を立てやすくなります。イベントを企画する人にとっても、開催日を調整したり、ほかの主催者との連携を考えたりする手がかりになりそうです。

本が好きになるきっかけは、「あの人に会いたい」から?

3人目は、読書のまちづくりに取り組む隊員からの報告です。

小学校での学校司書業務を中心に、図書委員会の活動支援や子ども司書講座、イベントの企画運営など、子どもたちが本と出会う機会をつくっています。

発表では、本に関するカードゲームを楽しめるブースや、物語づくりのイベントが紹介されました。カードゲームのブースでは、遊びながら自然と会話が生まれ、何度も足を運んでくれる子どももいたそうです。

誰に来てほしいのか。どうすれば、その人に情報が届くのか。

企画の内容だけでなく、広報の方法やタイミングについても、次の活動に向けた課題が見えてきました。そんな発表の終盤、印象に残ったのは、隊員自身が活動環境について振り返る場面。

学校や図書館を中心に活動しているからこそ、日々、子どもたちの声を直接聞くことができる。その環境を改めて大切にしながら、残りの任期での活動に生かしていきたいと語りました。

会場からは、子どもたちが隊員に親しみを持って接している様子についても話がありました。

本が好きだから図書館に行く。
もちろん、それも一つのきっかけです。

でも、「あの人に会いたい」「ちょっと話したい」という気持ちから、本のある場所へ足を運ぶこともあるのかもしれません。

本との出会いは、必ずしも本そのものから始まるわけではない。
子どもたちと日々関わる隊員の活動から、そんなことを考えさせられました。

「それなら、こんなこともできそう!」地域の声から生まれるアイデア

3名の発表を通じて印象的だったのは、地域の皆さんから寄せられた具体的な提案の数々です。

例えば、デジタル相談室の案内を町のお店に置いてみること。
中学生が身につけたデジタルスキルを、地域の事業者との活動につなげてみること。
町のイベント情報を、もっと見つけやすくすること。

どれも、地域で暮らし、日頃からお客さんや子どもたちと接している皆さんだからこそ出てくるアイデアです。

IRODORIも進行の中で、隊員たちが活動を通じて感じている町民のニーズや、子どもたちと地域がつながる可能性について問いかけました。

すると、隊員の活動で見えてきたことに、地域の皆さんの経験やアイデアが重なっていきます。

活動報告会というと、これまでの成果を発表する場をイメージするかもしれません。でも、今回の報告会では、発表を聞いた人が自分の暮らしや仕事に引き寄せて考え、「こんなこともできるのでは?」と声を上げる場面がありました。

報告する人と、聞く人。
その関係から、次に一緒に何かを考える関係へ。
そんなやり取りが生まれていたことも、今回の報告会の印象的なところでした。

任期が終わった、その先のことも。

もう一つ、会場で話題になったのが、隊員たちの任期後の暮らしについてです。
地域おこし協力隊には任期があります。

活動を通じて地域との関係が深まり、できることが増えていく一方で、任期が終わった後の仕事や暮らしについても考えていかなければなりません。

会場では、特に教育などの分野で経験を積んでいる隊員について、その経験をどう次の仕事につなげていくのか、地域や行政も一緒に考えていく必要があるという意見がありました。

町のために活動してくれる人が、その町で自分らしく暮らしていくには、何が必要なのか。

活動の成果だけでなく、隊員自身の将来にも目を向けた意見が交わされたことは、今回の報告会で大切にしたい場面の一つでした。

地域おこし協力隊の活動は、任期中に何をしたかだけで完結するものではありません。その経験が、隊員自身の次の仕事や暮らしにどうつながっていくのか。そして、地域との関係がどのように続いていくのか。

私たちIRODORIも、一人ひとりの希望や強み、活動の中で見えてきた課題に向き合いながら、引き続き伴走していきます。

報告会で出てきた「こんなこと、一緒にできない?」というアイデアたち。
これから矢祭町で、どんな形になっていくのでしょうか。

地域おこし協力隊の挑戦を、地域の次の一歩につなげるために。

地域おこし協力隊の活動には、一人ひとりの得意なことや挑戦したいこと、そして地域の人たちとの関わりから生まれる、さまざまな可能性があります。

一方で、日々の活動の進め方や地域との関係づくり、任期後の仕事や暮らしなど、隊員だけでは解決が難しい悩みもあります。

IRODORIでは、地域おこし協力隊の募集から活動中の伴走支援、地域との関係づくり、任期後を見据えた活動設計まで、それぞれの地域や隊員の状況に合わせた支援に取り組んでいます。

「隊員の活動をもっと地域につなげたい」
「活動中の悩みや課題を相談できる体制をつくりたい」
「任期後も見据えた伴走支援を考えたい」

そんな課題をお持ちの自治体・関係者の皆さまは、ぜひお気軽にご相談ください。

▼ IRODORIに地域おこし協力隊の伴走支援について相談する

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