「教育は地域を動かす/ワガママは社会を動かす」──Ongoing! CONFERENCE vol.3 登壇レポート

2025年7月12日(土)未来の学校みんなで創ろう。PROJECT が主催する「Ongoing! CONFERENCE vol.3」に、IRODORI代表の谷津・永井が登壇しました。

このイベントは、学校現場に関わるさまざまな立場の人たちが集い、教育のこれからを考えるカンファレンス。IRODORIは第1回から参加しており、今回も東京学芸大学の先生とのご縁から、登壇の機会をいただきました。

▼イベントの詳細はこちら
https://edumotto.u-gakugei.ac.jp/mirainogakkou/ongoing/

地方の“ワガママ”が、世界に向かう日々

今回のプレゼンのタイトルは、

「DXハイスクールで変化した地方で暮らす高校生の意識〜MIT AppInventorを活用した総合的な探究の時間〜」

“ワガママ”を起点に課題を見つけ、仮説を立て、アプリを開発し、実際に使ってもらう——

そんなプログラムを地方の高校生達と行っていること。そしてその先には、地域や世界とつながる未来が見えていることを伝えました。

冒頭では、会場の教育関係者の方々からLiveQで“ワガママ”を募集するという試みも。

集まった声にはあえてプレゼン中で触れませんでしたが、“ワガママ”がいかに人の内面を動かす力を持っているかを、体感してもらえたのではと思います。

さらにプレゼンの中では、「たったひとりのワガママが社会を動かす」例として“カーブカット効果”についても紹介しました。

一見、ごく少数の人間のワガママに見える声が、結果として社会全体の利便性を高めることがある——

その視点は、多くの方の頷きを呼んでいました。

プログラミングよりも、“変えたい”を信じる場づくり

ワガママLabのプログラムは、「プログラミングを教える」ことが目的ではありません。

“誰かのワガママを叶える”という視点から社会課題を発見し、その解決の手段としてアプリを開発する、という流れを支援しています。

学生たちが「自分にも何かできるかもしれない」と感じたとき、その想いに火をつけ、実装まで伴走する環境を用意する。

それによって、「こんな自分でも誰かの役に立てるかもしれない」という“自己効力感”が生まれていくのです。

IRODORIの役割は、その意欲に応える土壌を耕し続けることだと考えています。

「ワガママが見つけられない子はどうしてる?」

質疑応答で出た、こんな問いが印象的でした。

「ワガママを見つけにくい子どもたちもいるのでは?そんな時はどうしていますか?」

IRODORIの谷津はこう答えました。

「地方の子どもたちって、やっぱり不便や不満がある。だから、自然と“ワガママ”が出てくるんです。

一方で、都会の子たちは何でも手に入りやすい環境にあるからこそ、“本当のワガママ”を見つけにくいのかもしれない。

でも、そんなときに使えるのがIRODORIの“ペルソナカード”なんです。」

IRODORIが開発した「ペルソナカード」は、たったひとりの困りごとに焦点を当て、社会実装までのプロセスを支えるツール。

“自分の中にあるワガママ”を見つけるきっかけとして、多くの現場で活用されています。

▼ペルソナカードについて詳しく知りたい方はこちら
https://irodori-group.jp/info/personacard241003/

未来の先生たちが、未来をつくる場へ

今回のカンファレンスでは、私たちIRODORIと一緒に、茨城県立鉾田第一高等学校の生徒たちも登壇しました。

彼女達は、鉾田第一高等学校で実施している、将来教師を目指す学生たちが集まる「GSNP(学校の先生になろうプロジェクト)」のメンバー。

その中から有志で2チームがこの場に参加し、取り組んできたプロジェクトを発表しました。

それぞれの「ワガママ」からアプリ開発に至るまでのプロセスを丁寧に紹介。

仮説立て・課題設定・実装・検証までの流れを、しっかりと、堂々とプレゼンする姿に、会場からも温かな拍手が送られました。

教育は地域を動かす。ワガママは社会を動かす。

教育とは、「教えること」ではなく、「未来を信じて、行動を共にすること」ではないでしょうか。

そして、その一歩目になるのが、たったひとつの“ワガママ”かもしれません。

未来を考える教育関係者たちの前で、地方の高校生たちが、自分たちの声と行動を発信する。

そして、自分たちが目指す“先生”という道の先に、こんな未来があると気づく。

今回の登壇は、IRODORIにとっても、生徒たちにとっても、そして会場にいた教育関係者にとっても、そんな“原点”を見つめなおす時間だったように思います。

ご感想・ご質問はぜひ、コメントやSNSでお寄せください。

これからもIRODORIは、「たったひとりのワガママが、社会を動かす」そんな瞬間を、地域の現場から生み出していきます。

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