IRODORIでは2021年より、MIT App Inventorを活用してたったひとりの困りごとを解決するアプリをつくることを通じて、デジタル人材育成プログラム”ワガママLab”を実施してきました。
MIT RAISEとApp Inventor Foundation主催のMIT App Inventorを活用した社会課題をAIを使ったアプリを開発する世界大会「GLOBAL AI HACKATHON」にワガママLabメンバー2名も応募し、2024年5月13日に結果が発表されました。
Adult Individual部門とAdult Team部門にて応募したワガママLabテクニカルチームとして活動する武居怜と瀬尾幸斗がそれぞれ入賞しました。
武居は18歳以上の個人で応募するAdult Individual部門でHonorable Mentions(佳作)を受賞。瀬尾は所属する神奈川工科大学のチームに参加しAdult team部門にて優勝しました。
AIを活用したアプリで課題解決に挑む
今回はMIT App Inventorを活用しながら創造性、社会的影響力、AI の技術的理解を実証するAIアプリを開発することが条件でした。
その上で自分たちの国や地域コミュニティで抱える課題を解決しようと、その原因を特定し解決策を考えていきます。さらに以下のテーマに沿ったものと指定があります。
- Climate & sustainability
- Health & wellness
応募にはアプリ開発をはじめ、英語でのプレゼンテーション資料や、2分間のアプリ紹介動画の提出が求められました。
たったひとりからイメージを深める。ワガママLabの設計思想
ワガママLabでは、”たったひとりのワガママを解決する”というワガママLabの設計思想をもとにつくります。「ワガママ」とは、日々の生活の中であきらめていることは我慢していることです。
たったひとりのことを深くイメージをして、「誰の」「どんな課題を解決するのか」を明確にすることから設計を始めます。そして「誰の」に据えた、たったひとりの役に立つものをつくることを徹底的に考えます。その人の好み、特性、生活習慣に寄り添っていきます。
たったひとりのワガママの背景には、その地域特有のものや社会全体の課題にも通ずるものが多くあります。大きすぎて解決に取り組むことが難しいと思われる課題に対しても、取り組む糸口が見えてくるのです。
世界90カ国からのエントリー
応募者の年齢は7~70歳までと幅広く、さらに90カ国の1,078人もの参加者からエントリーがあったそうです。
提出されたアプリのうち 66% が大規模言語モデル (LLM) とチャットボットを使用し、 50% が画像分類モデルを使用、47%が音声合成および認識システムを使用していました。
審査員は 106 名で構成され、その中には大手テクノロジー企業の関係者や世界中の30 人以上の教育者も含まれます。
気持ちを言語化することが苦手な自分と姉のためのアプリを開発
武居がつくったアプリは「MoyaMoya(もやもや)」です。「MoyaMoya」は、言語化できない”モヤモヤ”した気持ちに前向きに対処し精神的な課題の解決を目指しています。
MoyaMoyaの開発ストーリーはこちらの記事で紹介しています。
ワガママLabではたったひとりのワガママを紐解くことから「誰のどんな困りごとを解決するのか」を突き詰め、MIT App Inventorを活用して地域で暮らす人たちの課題を解決するグローカル人材育成を全国で行っています。
▼各地でのワガママLabの事例はこちら
ワガママLabレポート
ワガママLabでは世界大会に挑戦したいという人たちのサポートにも力を入れていきます。ワガママLabの開催や参加にご興味がある方はぜひ、お問い合わせください。